【最愛婚シリーズ】極上CEOにいきなり求婚されました

「芽衣子さん、ビールでいいですか?」

「え? あ、うん」

「料理は適当に頼みますね。苦手なものやアレルギーってありますか?」

「ううん、大丈夫」

隣にいる店員にスマートに注文をする。

どうやら学生のアルバイトのようだが、オーダーを何度も繰り返して確認したりたどたどしいことから、おそらく新人さんだろう。

そんな要領が悪い彼女にも、イライラすることなく優しく対応している。

こういうところは、育ちがよさそうに思えるんだけどな。

とにかくこのケイトという男。よくわからないのだ。

見かけは文句なしに誰もが振り返るイケメン。

年下特有の若さゆえの自由さを感じることもあれば、ときに完璧なエスコートをみせて、不覚にもいい気分にもさせられてしまう。

わたしのイヤミも、まったく堪えていないようで、歳上の威厳をみせつけようとしても彼のほうが一枚上手で、思い通りにされている感が否めない。

店員さんの相手をしている彼を、ここぞとばかりに観察していたら、急にこちらを見たので焦った。

「注文、これでいいですか?」

「あ、それで大丈夫」

まったく聞いてなかったけどね。
< 45 / 129 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop