【最愛婚シリーズ】極上CEOにいきなり求婚されました
「芽衣子さん、ビールでいいですか?」
「え? あ、うん」
「料理は適当に頼みますね。苦手なものやアレルギーってありますか?」
「ううん、大丈夫」
隣にいる店員にスマートに注文をする。
どうやら学生のアルバイトのようだが、オーダーを何度も繰り返して確認したりたどたどしいことから、おそらく新人さんだろう。
そんな要領が悪い彼女にも、イライラすることなく優しく対応している。
こういうところは、育ちがよさそうに思えるんだけどな。
とにかくこのケイトという男。よくわからないのだ。
見かけは文句なしに誰もが振り返るイケメン。
年下特有の若さゆえの自由さを感じることもあれば、ときに完璧なエスコートをみせて、不覚にもいい気分にもさせられてしまう。
わたしのイヤミも、まったく堪えていないようで、歳上の威厳をみせつけようとしても彼のほうが一枚上手で、思い通りにされている感が否めない。
店員さんの相手をしている彼を、ここぞとばかりに観察していたら、急にこちらを見たので焦った。
「注文、これでいいですか?」
「あ、それで大丈夫」
まったく聞いてなかったけどね。