【最愛婚シリーズ】極上CEOにいきなり求婚されました
早速運ばれてきたビールで乾杯をする。いったい何に乾杯しているんだ。

しかし……まさか二日続けて彼とお酒を飲むことになるとは。

昨日のこともあるので、ジョッキに口をつけてちびちびと飲む。

肩や彼は、喉が渇いていたのか半分くらいをごくごくと美味しそうに飲んでいた。

「ん? どうかしましたか?」

わたしの視線を受けて、不思議そうな顔をしていた。

「いや~わたしどうしてここで、あなたと食事することになったんだろうって、考えてた」

もう色々取り繕っても仕方がないような気がして、本音で話をしてみることにした。

「ん~どうしてでしょうか、強いて言うなら、俺がそうしたかったから?」

あっけらかんと言い放った彼を見て、思わず「ははっ」と笑ってしまった。

若いってすばらしいな。世の中がまだ自分の思い通りに動くと信じているんだ。

少し呆れたわたしだったけれど、どうしたことか嫌だとかいうマイナスの感情はわいてこなかった。

彼の決して押しつけがましくなく、いたって自然体なその態度がそう思わせるのかもしれない。

肩の力が抜けて、なんだか色々考えることが面倒になった。

彼といるのは別に嫌じゃない。

初対面で話し込むくらいに、そしてうっかり一夜をともにするくらいは好感を持っている。

友達と飲むのと大差ないもの。

そう思ったわたしは、突き出しの枝豆に手を伸ばしてさっきまでまったく興味の無かったメニューを開いた。
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