【最愛婚シリーズ】極上CEOにいきなり求婚されました
けれど、手持ちのどの洋服を着てきても、無駄だっただろう。
「洋服のことは心配しないで。ちゃんと俺が考えていますから。ほら着いた」
車が減速して駐車場に止まる。石造りのビルの一階の店舗には大きな紫紺ののれんが掛かっていた。
車から降りたケイトは、助手席に回り車を降りるわたしに手をさしのべてくれた。
さすがニューヨーク帰りはエスコートがスマートだ。
どうでもいいことを考えながら、そのまま手をひかれて店の中に入った。
「こんにちは。お願いしていたモノ用意できていますか?」
名前も名乗らず、いきなり店先にいた和服姿の恰幅のいい初老の男性に声をかけた。
「お待ちしておりました。もちろんでございます。こちらの方ですね」
「ええ。無理を言ってすみません」
勝手に話が進んでいくのを訳の分からないまま聞いていると、ふたりの視線がわたしに映ったので居心地が悪い。
「ああ、お選びになったお着物がたいそう似合いそうです。ではさっそく……おい」
男性が声をかけると、中から白いブラウスに黒いパンツ姿の女性がふたりほど出てきた。
そしてそのまま「こちらへ」とわたしの背中を押すように中に連れ込まれる。
「洋服のことは心配しないで。ちゃんと俺が考えていますから。ほら着いた」
車が減速して駐車場に止まる。石造りのビルの一階の店舗には大きな紫紺ののれんが掛かっていた。
車から降りたケイトは、助手席に回り車を降りるわたしに手をさしのべてくれた。
さすがニューヨーク帰りはエスコートがスマートだ。
どうでもいいことを考えながら、そのまま手をひかれて店の中に入った。
「こんにちは。お願いしていたモノ用意できていますか?」
名前も名乗らず、いきなり店先にいた和服姿の恰幅のいい初老の男性に声をかけた。
「お待ちしておりました。もちろんでございます。こちらの方ですね」
「ええ。無理を言ってすみません」
勝手に話が進んでいくのを訳の分からないまま聞いていると、ふたりの視線がわたしに映ったので居心地が悪い。
「ああ、お選びになったお着物がたいそう似合いそうです。ではさっそく……おい」
男性が声をかけると、中から白いブラウスに黒いパンツ姿の女性がふたりほど出てきた。
そしてそのまま「こちらへ」とわたしの背中を押すように中に連れ込まれる。