【最愛婚シリーズ】極上CEOにいきなり求婚されました
そんなこんなで断る暇なんて与えてもらえなかったわたしは、あれよあれよという間にきらびやかな非日常の空間につれてこられて、緊張でガチガチだった。
通された部屋はルイ王朝時代を彷彿されるインテリアで、白を基調としていてゴールドがアクセントになっている豪奢な部屋だった。
そこで食事が始まる前に、ウェルカムドリンクやフィンガーフードが振る舞われていた。
隣にいるケイトのタキシードの袖をちょいちょいと引っ張って小声で話をする。
「これのどこが、ちょっとしたパーティなの?」
「小規模な仲間内だけの集まりだよ」
こそこそと話をするわたしたちの前に、恰幅のよい白いひげを蓄えた初老の男性が笑顔で近づいてきた。
そしてケイトの前に立つやいなや彼をぎゅーっと抱きしめた。