【最愛婚シリーズ】極上CEOにいきなり求婚されました
全然笑い事じゃないと思うんだけど。
無職って……それならこの着物のお金はどこからやってきたのだろうか。
金額を聞くなと釘をさされているので、今更尋ねるわけにもいかない。
「おふたりのせいで、芽衣子さんが不安そうな顔をしているじゃないですか?」
「あら、ごめんなさい。ジョークだと思って聞き流してくださいね」
婦人に言われて笑顔を浮かべたが、完全な作り笑いだ。それは皆にばれてしまっていたようで。
「安心してください。いざとなれば彼はどんなことでもやってのけるから」
「いざとなればって、ひどいな」
まだ笑っている彼らとの感覚の違いに違和感を持ちながらも、わたしはこの場で話すことではないと、笑顔で適当に話を合わせることにした。
内輪だけの会だとは聞いていたけれど、ちらほらとテレビや雑誌で見かけたことのある著名人がいた。
その面々を見るたびに自分が場違いな場所に来てしまったのだと感じる。