【最愛婚シリーズ】極上CEOにいきなり求婚されました
晩餐会形式のパーティだったので、隣の部屋に案内されると長いテーブルの中心には花が飾られており、カラトリーがセッティングされていた。
わたしは案内されるまま、ケイトの隣に座って食事が始まった。
よかった、マナー教室に通っておいて。
だてにお一人様が長いわけではない。
ありあまった時間を自分磨きのためについやしたのが、ここにきて見事に役に立った。
食事は日本の食材をうまく米国風にアレンジしており、ふたつの国の融合された味に参加者は舌鼓を打った。
しかしわたしは……味どころではない。
一緒にテーブルを囲んでいる人達は外国の方でも日本語がお上手で言葉に困ることはなかったが、会話の内容についていくのが精一杯だった。
仕事がら政治や経済のことには敏感であったとしても、ここにいる人たちはその中心にいる人だ。
付け焼き刃の知識が通用するとは思えずに、だまったまま話を聞いていた。
「あ~あ、男の人って、こういう場でも仕事の話をしちゃうの。無粋じゃない?」
向かいに座っていた女性が呆れた様子で、隣にいる男性をチラッと見てこちらに同意を求めてきた。