【最愛婚シリーズ】極上CEOにいきなり求婚されました
「こうやって冷たくなっていたら暖めたくなります。ダメですか?」
じっと見つめられて、心臓がありえないほどの音を立てている。
冷たく冷え切っているはずの頬に熱がドンドン集まり、赤くなっているのが鏡を見なくても分かる。
どう返事をしていいのかわからなくて、じっと見つめ返すことしかできない。
彼の大きな手が、わたしの頬を包む。
彼のからのキスがわたしの唇の端に軽く落とされた。わたしはぎゅっと彼のタキシードの背中を掴んだ。
それを合図にしたかのように、ケイトわたしの首の後ろを支えて上を向かせると熱い唇を重ねてきた。
甘やかにとろけるようなキス。
脳までとろけきってしまったわたしは、ケイトとのキスのこと以外何も考えられなくなってしまい、ただただその心地良いキスにすべてを委ねた。
見つめ合った瞬間に、無意識に瞳で返事をしてしまっていたのかもしれない。
彼に逆らえないのだと。
スキにして欲しいのだと。
わたしの目は、自分で思っているよりも雄弁なのだと、この日悟った。