【最愛婚シリーズ】極上CEOにいきなり求婚されました
「ちょっと、待って。まだ――」
返事をする前にドアが開く。いきなり入ってきたケイトはすでにバスローブ姿だった。
なんとなく直視できずに目を逸らす。
鍵をかけていなかった自分が悪いとは思うけれど、少しくらい待ってくれていてもいいのに。
「ごめん。寒いから、俺にもシャワー使わせて」
言いながらすでにバスローブを脱ぎ捨てた彼の裸体が、鏡越しに目に入る。慌てて目をつむったが、目の裏にやきついてしまいチカチカした。
「エッチ」
そうからかうように言い残して、ケイトはさっさとバスルームの中に入っていく。
「……もうなんなのよ」
ドライヤーを再開させようと顔を上げた。鏡に映ったわたしの顔は赤くなっていた。
リビングに戻りソファに座る。大きな肘掛に頭を乗せぼんやりと頭の中を整理した。
ほんと、もう。調子狂う。
ケイトと出会ってからの自分に困惑してしまう。彼の裸を見たのだって別に初めてじゃない。
少ないけれど、恋愛だってしてきた。
だからこんなふうに相手の行動ひとつひとつに振り回されて、心みだされて、そして期待してしまっている自分が自分じゃないみたい。
ケイトといると、楽しいけれど不安になる。このまま彼のことを好きになったとしても、自分の望んでいる未来は手に入らない。
打算的なのはわかっているけれど、結婚のリミットまで時間がないのだから彼と過ごす時間を減らして、婚活に勤しまなければ……。
一時の楽しい恋の時間を過ごすには、出会いが遅すぎた。わたしに残された時間は本当にあと少ししかないのだから。
返事をする前にドアが開く。いきなり入ってきたケイトはすでにバスローブ姿だった。
なんとなく直視できずに目を逸らす。
鍵をかけていなかった自分が悪いとは思うけれど、少しくらい待ってくれていてもいいのに。
「ごめん。寒いから、俺にもシャワー使わせて」
言いながらすでにバスローブを脱ぎ捨てた彼の裸体が、鏡越しに目に入る。慌てて目をつむったが、目の裏にやきついてしまいチカチカした。
「エッチ」
そうからかうように言い残して、ケイトはさっさとバスルームの中に入っていく。
「……もうなんなのよ」
ドライヤーを再開させようと顔を上げた。鏡に映ったわたしの顔は赤くなっていた。
リビングに戻りソファに座る。大きな肘掛に頭を乗せぼんやりと頭の中を整理した。
ほんと、もう。調子狂う。
ケイトと出会ってからの自分に困惑してしまう。彼の裸を見たのだって別に初めてじゃない。
少ないけれど、恋愛だってしてきた。
だからこんなふうに相手の行動ひとつひとつに振り回されて、心みだされて、そして期待してしまっている自分が自分じゃないみたい。
ケイトといると、楽しいけれど不安になる。このまま彼のことを好きになったとしても、自分の望んでいる未来は手に入らない。
打算的なのはわかっているけれど、結婚のリミットまで時間がないのだから彼と過ごす時間を減らして、婚活に勤しまなければ……。
一時の楽しい恋の時間を過ごすには、出会いが遅すぎた。わたしに残された時間は本当にあと少ししかないのだから。