【最愛婚シリーズ】極上CEOにいきなり求婚されました
「だったら、俺と結婚したらいいじゃないですか」
ばっと顔をあげて、彼を見る。彼はまっすぐにわたしを見ていた。
「芽衣子さんの目的が〝結婚〟なんだったら、俺と結婚すればいいでしょう。だったら何も問題ない」
何でもないことのように軽く言う彼に、苛立ちを覚えた。
若い彼にとっては、結婚は夢物語なのだ。
だからこんなに簡単に『結婚しよう』なんて口にできる。
けれど、わたしにとってはすぐそこに迫った現実。
ふたりの認識の差に大きな隔たりがあるのは明白だった。
きっとそれは、埋めようと思っても埋まらないものだ。
「わたしはケイトみたいに、ふらふらしている根無し草のような生活をしている人とは一緒になれないよ。家もない、仕事もしてない。そんな人に将来を預けるなんてできない」
自分に言い聞かせるように言ったあと、彼を否定する言葉ばかりを並べたことに気がついた。
自分を守るために他人を傷つけるなんて、最低だ。
「……ごめん」
「別に。全部事実ですから」
自虐ぎみに笑うケイトの顔を見て、言ってはいけないことを言ったと改めて思う。
「本当にごめんなさい」
「謝らなくていいよ。芽衣子さんの気持がよくわかったから」
違うといいかけて、言葉を飲み込んだ。
ケイトを否定したかったわけじゃなかったのだと伝えようと思ったけれど、それこそ虫のいい話だ。
ばっと顔をあげて、彼を見る。彼はまっすぐにわたしを見ていた。
「芽衣子さんの目的が〝結婚〟なんだったら、俺と結婚すればいいでしょう。だったら何も問題ない」
何でもないことのように軽く言う彼に、苛立ちを覚えた。
若い彼にとっては、結婚は夢物語なのだ。
だからこんなに簡単に『結婚しよう』なんて口にできる。
けれど、わたしにとってはすぐそこに迫った現実。
ふたりの認識の差に大きな隔たりがあるのは明白だった。
きっとそれは、埋めようと思っても埋まらないものだ。
「わたしはケイトみたいに、ふらふらしている根無し草のような生活をしている人とは一緒になれないよ。家もない、仕事もしてない。そんな人に将来を預けるなんてできない」
自分に言い聞かせるように言ったあと、彼を否定する言葉ばかりを並べたことに気がついた。
自分を守るために他人を傷つけるなんて、最低だ。
「……ごめん」
「別に。全部事実ですから」
自虐ぎみに笑うケイトの顔を見て、言ってはいけないことを言ったと改めて思う。
「本当にごめんなさい」
「謝らなくていいよ。芽衣子さんの気持がよくわかったから」
違うといいかけて、言葉を飲み込んだ。
ケイトを否定したかったわけじゃなかったのだと伝えようと思ったけれど、それこそ虫のいい話だ。