【最愛婚シリーズ】極上CEOにいきなり求婚されました
「芽衣子さんは、仕事が安定していて、きちんとした生活基盤のある人がいいんでしょう?条件に合う人なら誰でもいいってことだ。
毎日同じ時間に出社して帰宅して、会社の借り上げのマンションで暮らしているような人が芽衣子さんの理想でしょ」
極端にいえばそういうことになる。わたしは否定も肯定もできずに、固まってしまった。
「でも、それでお見合いを何度もしたのに成功しなかった。だったらその条件を変える必要があると思わないの?」
至極まともなことを言っていると思う。けれどこの歳で冒険するなんて無謀なことはできない。
これまでの人生の中で作り上げてきた概念をそう簡単に変ることはない。
「学歴や、肩書き――見合いの身上書でわかるようなことだけで結婚相手判断していいの? それよりも自分の目で見て、自分の気持ちで感じて……」
「やめて。そんな話は聞きたくない」
わたしは絨毯に足をつけて立ち上がり、ベッドルームを出る。
「芽衣子さん、話はまだ終わってない」
「来ないで。今日はひとりで帰らせて」
ケイトが追いかけてくる気配がしたが、わたしは振り返ることもせずに彼を拒否した。
彼は何も言わず、わたしの言うことを聞いてくれた。
隣の部屋で素早く身支度を済ませると、わたしはひとりでホテルを後にした。
自分のことを最低だと、責め続けながら。
毎日同じ時間に出社して帰宅して、会社の借り上げのマンションで暮らしているような人が芽衣子さんの理想でしょ」
極端にいえばそういうことになる。わたしは否定も肯定もできずに、固まってしまった。
「でも、それでお見合いを何度もしたのに成功しなかった。だったらその条件を変える必要があると思わないの?」
至極まともなことを言っていると思う。けれどこの歳で冒険するなんて無謀なことはできない。
これまでの人生の中で作り上げてきた概念をそう簡単に変ることはない。
「学歴や、肩書き――見合いの身上書でわかるようなことだけで結婚相手判断していいの? それよりも自分の目で見て、自分の気持ちで感じて……」
「やめて。そんな話は聞きたくない」
わたしは絨毯に足をつけて立ち上がり、ベッドルームを出る。
「芽衣子さん、話はまだ終わってない」
「来ないで。今日はひとりで帰らせて」
ケイトが追いかけてくる気配がしたが、わたしは振り返ることもせずに彼を拒否した。
彼は何も言わず、わたしの言うことを聞いてくれた。
隣の部屋で素早く身支度を済ませると、わたしはひとりでホテルを後にした。
自分のことを最低だと、責め続けながら。