【最愛婚シリーズ】極上CEOにいきなり求婚されました
ケイトに指定された店は、彼が最初にわたしを連れいこうとした店だ。
そのときわたしは、彼のお財布の中身を心配して気分ではないと言い焼き鳥屋に彼を誘導した。
あのときだって、本当は笑っていたのかもしれない。
そんな暗い考えが頭をよぎったのを、慌ててかき消した。
到着して名前を告げると、すぐに個室に案内された。ケイトはすでに中で待っていた。
個室以外での食事ならばドレスコードがあるようなレストランだ。
しかし彼はいつも通りの服装だった。
個室だから何も言われないのか、彼だからなのか。皮肉ばかりが脳内にあふれてしまう。
「仕事だったんですよね。お疲れ様。何飲みますか? ワイン、いいのが入ったってさっき聞いたんだ」
ワインリストをケイトは楽しそうに眺めている。
「赤がいい? 白がいい? それともシャンパン?」
わたしの様子を窺おうとリストから顔を上げたケイトは、わたしの顔を見て固まった。
「どうかした? なんでそんな怖い顔してるの?」
わたしは深呼吸をした。
「話があるの」
こわばった声でそう告げると、ケイトは側で控えていた店員さんに目配せをして席を外させた。
パタンと扉が閉じられ、ふたりっきりになる。テーブルのキャンドルの明かりがやけに目に染みる。
「で、どうかしたんですか? そんな改まってする話なんですから、大切なことなんでしょう?」
気遣うようなケイトに促され、口を開いた。
実際は何度か話そうとして試みたけれど、なかなか話し出さないわたしにケイトがしびれを切らしたのだけれど。
わたしはバッグから、女子社員にもらった雑誌を取り出し開いた。
そのときわたしは、彼のお財布の中身を心配して気分ではないと言い焼き鳥屋に彼を誘導した。
あのときだって、本当は笑っていたのかもしれない。
そんな暗い考えが頭をよぎったのを、慌ててかき消した。
到着して名前を告げると、すぐに個室に案内された。ケイトはすでに中で待っていた。
個室以外での食事ならばドレスコードがあるようなレストランだ。
しかし彼はいつも通りの服装だった。
個室だから何も言われないのか、彼だからなのか。皮肉ばかりが脳内にあふれてしまう。
「仕事だったんですよね。お疲れ様。何飲みますか? ワイン、いいのが入ったってさっき聞いたんだ」
ワインリストをケイトは楽しそうに眺めている。
「赤がいい? 白がいい? それともシャンパン?」
わたしの様子を窺おうとリストから顔を上げたケイトは、わたしの顔を見て固まった。
「どうかした? なんでそんな怖い顔してるの?」
わたしは深呼吸をした。
「話があるの」
こわばった声でそう告げると、ケイトは側で控えていた店員さんに目配せをして席を外させた。
パタンと扉が閉じられ、ふたりっきりになる。テーブルのキャンドルの明かりがやけに目に染みる。
「で、どうかしたんですか? そんな改まってする話なんですから、大切なことなんでしょう?」
気遣うようなケイトに促され、口を開いた。
実際は何度か話そうとして試みたけれど、なかなか話し出さないわたしにケイトがしびれを切らしたのだけれど。
わたしはバッグから、女子社員にもらった雑誌を取り出し開いた。