【最愛婚シリーズ】極上CEOにいきなり求婚されました
「それだけ、芽衣子さんが彼のことを好きだってことですよね」

うなずきながら涙がこぼれた。今まで自分の中でずっと否定し続けた思いだ。

初めてこうやって人前にさらけ出した、まぎれもないわたしの本音。

「だから、彼をこんなことで縛り付けたくない。今からもっともっと素敵になっていく人だから」

ケイトはこれから、もっともっと大きくなる。

大きな仕事を成し遂げ、たくさんの人の役に立ち、彼にとって本当に必要な人と巡り会い結ばれるはずだ。

それはわたしじゃない。

「芽衣子さん、本当にそれでいいんですか? わたしが口を出すことじゃないとは思うんですけど、そこまでの気持ち諦めてしまっていいんですか?」

ひよりの言葉が胸に突き刺さる。

「仕方ないことなの。もう少し色々なことに臆病になっていない頃に出会っていれば違うふうになっていたかもしれないわね。でも、年の差はどうしようもないから」

パチパチと瞬きをして、涙を散らす。

「もう少しよく考えてください。もう会わないつもりなのに、彼のことを知りたがっている時点で、未練タラタラじゃないですかっ!」

おっしゃるとおりすぎて、苦笑いを浮かべるしかない。

「いつもの芽衣子さんらしくないです。もっときっぱり、自分の歩きたい正しい道を歩くのが芽衣子さんですよ。何があろうとも、わたしは芽衣子さんの味方ですから」

力強く勇気づけてくれる。

「さあ、せっかくなんでいっぱい食べましょう。ダイエットもいいですけど、あんまり痩せすぎると倒れちゃいますよ」

そう言ってひよりは、わたしのお皿にたくさんの料理をのせてくれた。
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