総長さんが甘やかしてくる③


未だかつて感じたことのない感情に襲われた。


――“裏切り”


稔から裏切られたのだと悟ったとき

自分が稔に対し

驚くほどに期待してしまっていたことに気づいた。


まさに絶壁の崖から突き落とされた気分だった。


「男に二言はないだろう?」


総長が手元に持つICレコーダーには


【わかった。お前らの仲間になる】


俺の、契りの言葉が残されていた。

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