総長さんが甘やかしてくる③
そうして黒梦のメンバーになった愁は
相変わらず荒い運転してやがるが、着実に経験値を積んでいる。
「なあ、幻」
「なんだ」
「俺はお前に拾われたことを感謝しているんだ」
愁は、俺にそんなことを言ってきやがるが。
あのとき。
あのタイミングでお前に出会えたことに。
「だから。幻に助けが必要というならば。俺は、なんだってしてやりたいと思う」
俺の方が、救われたこと。
そして、ライダーとして成長したお前との勝負を楽しみにしていること。
そんな気持ちが。
アイツに伝わる日が来るだろうか。