総長さんが甘やかしてくる③

「君に、どうしても尋ねたいことがある」

「え……」

「誤解するなよ。怪しいもんじゃない。そこで、菊地さんに入室の許可はもらってきた」

「…………誰なの？」

「驚かせてしまってすまない」

「なんなの。いきなり」


身を起こした少女は

肩を震わせ、目を見開き、怯えている。


マズいな。

ここは燐に頼んだ方がよかったか？


でも、アイツを単体で接触させるのは

どう考えても危ねえ。


ならば、やはり

俺がなんとかするしかない。


「怖がらないで欲しい。君に危害を加える気は少しもない。俺は、幻の友人だ。ひとつだけ、教えてくれ」

「……幻の。友達？」

「ああ、そうだ。幻が、どこに行ったか。心当たりあるなら話して欲しい」