総長さんが甘やかしてくる③
「その先は。三人でも、四人でも。仲良くやっていけばいいさ」
鞄から、眼鏡を取り出す。
度なんて入っていない。ただのフェイクだ。
いつも通りの姿で行けば警戒されると思い、少し変装して行ったが。
効果はあったようだ。
なあ、夕烏。
お前は知らないだろう?
お前が忽然と姿を消して
俺が生きた心地がしなかったことを。
出逢ったときからお前に惹かれていたことを。
将来は俺のものにすると、決めていることを。
なにも、心配しなくていい。
ちゃんと持ってる。切り札なら。
たっぷりと用意してあるんだ。
ためこんできた恨みつらみ。
いずれ全部、晴らそうじゃないか。