総長さんが甘やかしてくる③
「こんなところで、ご対面とはね。黒梦ナンバー2のシュウくん」
聞いていた通り。
「弱点は。オ・ン・ナ」
シュウは純情だった。
あたしに迫られ、身動きがとれなくなるくらい。
「あは。固まっちゃった」
あたしが見つめると
視線を、そらしてきた。
「君は、ひょっとして。格闘技の経験者か?」
「わかっちゃった?」
あなたなら、ふりほどけるはず。
それをしないのは――
「優しいんだね、シュウくんは」
この男が、女に、甘いから。
そんなに甘くて守れるの?
ナンバー2のクセして…………
「幻には。愛する女がいる」
――――うるさい
「……だから?」
「なかったんだろ。過ちなんて」