総長さんが甘やかしてくる③


そんなに必死にならなくても、大丈夫でしょ。


木良が幻を悪いようにするとは思えない。

追いかけてどうするの?


ここで、もうしばらく遊んでなよ。

あたしと。


「どうしてあたしがアンタのお願いを聞かなきゃならないの」

「約束しよう」

「なにを」

「信念を曲げない範囲なら、君の望みは俺がなんだって聞き入れよう。ただし、今夜は時間がない。なので俺をコキ使いたいなら……そうだな。明日以降が望ましい」


…………はあ?


「意味わかんない」


頭、悪くないクセに。

力だってあるのに。


そんな、したてに出て

交渉持ちかけてどうするの?


「敵チームの姫に。黒梦のナンバー2は顎で使われていいっての?」

「人として頭をさげている」


ほんとバカだよ、シュウ。

なんでそんなにまっすぐなの。


いくら黒梦が幻の率いるチームだからって

暴走族は、もっとズルく汚れていても、誰も怒んないんじゃないの?
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