総長さんが甘やかしてくる③
インドアな僕と違って、アウトドア好きな子で。
「お父さんとキャンプ行くんだけど。木良も行かない?」
「……ええ」
「絶対たのしいよ!」
嫌がっても断っても
結局僕は、かすみの誘いを断れない方が多かった。
「火がつかないよー、木良!」
「あおぎすぎだから。ほら、着火剤」
「ありがとう」
柄でもなくバーベキューなんてしたのは
君が強引なのもあったけど、
「ついたよ!!」
なにより、そんな君に惹かれ
君とならこんな時間を過ごしても悪くないと思えたからだ。