総長さんが甘やかしてくる③
とはいえ
天の邪鬼な僕は行動に出たんだけど。
当時、僕がハマっていたゲームの
好きなキャラが赤髪だった。
「木良くん、あそぼー」
「お願いがあるんだ」
「お願い?」
「先輩のお兄さん、美容師だったよね。僕の髪、真っ赤にしてくれない」
次にかすみが僕に会いに来たとき、
僕は黒梦のメンバーになっていた。
「凄いじゃん、木良。どうやって入ったの?」
「総長にコンタクトとったら気に入られた」
「え? そんなことできたの!?」
「プレゼントつけたからね」
「……?」
何を贈ったの、と不思議そうな顔をしていたかすみにそれを教えてやることはなかった。
他のチームの機密情報を手に入れて送りつけてやったなんて聞けばさすがに怒られる気がしたから。
「僕を欲しいと思わせた。それだけだ」