総長さんが甘やかしてくる③


幻は総長になってすぐに学校をやめた。


家を出ると言ったので

かすみにバトンタッチした。


二人を接触させるのに成功させたあとは

それまで話しかけることすらできなかったかすみのアタックが始まった。


幻は、かすみと同じ中学だってことも忘れているようだった。


幻にとっちゃ学年のアイドルもその程度のものだったんだ。


『朗報だよ、幻』


僕が、やる前に。


『歩道橋から足を滑らせて。歩けなくなったんだってさ。一生、車椅子。天罰かな?』


何者かが、稔の背中を押したのだと思った。


ひょっとしたら、それは


あの男なんじゃないかと思うが確信はない。


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