総長さんが甘やかしてくる③
「……集まりすぎだよ。君たち」
木良が、呆れている。
「もう二人。スペシャルゲスト呼んだんだ」
――スペシャルゲスト?
「誰だそれ」
燐は、なにを企んでいる?
「まさか。事態を悪化させるようなこと目論んでんじゃ――」
「さすがにこれは。ボクが暴れていい舞台じゃないことくらい、わかるよ」
出会った頃の燐は、
自分の気持ちを最優先させていた。
誰が傷ついても
たとえ死人が出ても楽しければいいというような考えで動いていた。
だけど、今は――
「ミノル!」
かけつけたのは、サトルだった。
「まったく。お肌のゴールデンタイムに呼び出さないでくれる?」
その隣には――モデルのような、女。
…………ひょっとして
夕烏がいっていた“スミレ”か?
なるほどな。
関係者とそのストッパー、集結させたわけか。
「ねえ、愁。ボクのこと。ちょっとは見直した?」
「ああ」