総長さんが甘やかしてくる③
「さっきの、サトルが有名ってのは。一部の界隈ではってハナシなんだけどさ。名前入れてみたらわかるよ」
そういってパソコン画面の空白スペースに文字を打ち込んだ燐さん。
【一番合戦悟】
「いちばんがっせん、ご?」
「いちばんがっせんさとる。現在二十六歳。かつてプロ入りも期待されたアマチュアボクサーさ。日本一に輝いたこともある」
サトルさんが、ボクサー?
それも。全国チャンピオン!?
「チビだけどすごい体格良いでしょ、サトル」
「……あ」
パン職人にしてはガタイよすぎるなと。
なにしたらそんなに筋肉つくのだろうと、疑問だった。
だけど。
そんなに強い人だったなら、納得だ。