総長さんが甘やかしてくる③
「なに見てんだ」
部屋から出てきた愁さんは、手にコップを持っている。
飲み物のおかわりをするのかも。
燐さんとわたしがパソコンを眺めていることについて、問いかけられた。
「んーと。ユウちゃんに大人の階段のぼらせるための動画だよ」
「は!? なに見せてんだテメェ!」
「なーんちゃって。てへ」
「…………」
「そうだ。とっておきのがあるから、あとで一緒に見る?」
愁さんが眉間にシワをよせてなにか言いたそうにしているが、言葉をのみこんだみたい。
(とっておきとは)
「ねえ。前から気になってたこと聞いていい?」
「はい」
また、厳しいこと、言われちゃうかな。
……覚悟して聞こう。
大丈夫。わかってる。
燐さんの言葉が
ただのイジワルじゃないということくらい。
「愁と暮らしてて、ラッキースケベって起きたことないの」
……はい?