総長さんが甘やかしてくる③



愁さんが、わたしから離れる。


「すまない。つい」


謝るのは、わたしの方だ。

わたしが心配させてしまったから落ち着かせようとして、抱きしめてくれた。


そんな愁さんに、ただ、甘えてしまった。


「辛いなら頼って欲しい。なんの遠慮もせずに、友人として」


愁さんは、呆れもせずに

優しくあり続けてくれている。


「ダメですね。また、燐さんにおバカさんって言われちゃいます」

「あいつの憎まれ口は愛だ。傷つくことない」

「知ってます。優しさ、なんですよね」

「よくわかってるじゃないか」

「ガツンと。カツ入れてもらおうかな」

「それはなにをされるか……わかんねーな」

「燐さんのことです。酷いことはしませんね」

< 71 / 272 >

この作品をシェア

pagetop