総長さんが甘やかしてくる③
愁さんが、わたしから離れる。
「すまない。つい」
謝るのは、わたしの方だ。
わたしが心配させてしまったから落ち着かせようとして、抱きしめてくれた。
そんな愁さんに、ただ、甘えてしまった。
「辛いなら頼って欲しい。なんの遠慮もせずに、友人として」
愁さんは、呆れもせずに
優しくあり続けてくれている。
「ダメですね。また、燐さんにおバカさんって言われちゃいます」
「あいつの憎まれ口は愛だ。傷つくことない」
「知ってます。優しさ、なんですよね」
「よくわかってるじゃないか」
「ガツンと。カツ入れてもらおうかな」
「それはなにをされるか……わかんねーな」
「燐さんのことです。酷いことはしませんね」