総長さんが甘やかしてくる③
考えてみれば
わたしは当たり前のように異性の部屋に入る。
というよりは、異性と暮らしていて。
同じテーブルでご飯を食べて同じお風呂を使う。
燐さんからはメイクを教わったし。
愁さんとキッチンに並ぶこともある。
それらに幻さんは口を挟むどころか、幻さんの方からそういう環境を与えてくれたわけで。
こんなにも、わたしに周りの人たちとコミュニケーションをとらせてくれているじゃないか。
幻さんに女の子の知り合いがいるのは普通だし。
その子が幻さんに惚れたのだとしたら、幻さんは魅力的だから、仕方ないというか……。
仕事から帰ってきた幻さんが、汗を流しサッパリしたくて、シャワーをひと浴びするのはごく当たり前の流れで。
不安になる必要、ない。