総長さんが甘やかしてくる③


シャワーを浴び部屋に戻ると、霞(かすみ)が俺のベッドに横たわっていた。


着てきた服は洗濯して干してやり、もうとっくに乾いている。

部屋に吊るしてある白のセーラー服がなんとも眩しい。


「帰らないのか」

「……あーあ。もうちょっとで眠りにつけそうだったのに」


気だるそうに霞が瞼をあける。

メイクが落とされ素肌になった彼女は幼げだ。


「いつまでもかくまってやれない」

「どうして」

「ここで暮らしたいってなら俺は出ていく」

「なんでよ!」


布団から飛び起きると大きな目で見つめてくる。


「幻が出ていく必要ないでしょ」

「お前が戻ってきたなら。ここは、お前の部屋だ」

「一緒に使えばいいじゃん」

「できない」

「ねえ、今夜は一緒に寝ようよ」

「俺はオジサンの部屋借りるから。どうするか決めたら言ってくれ」

「待って」
< 82 / 272 >

この作品をシェア

pagetop