総長さんが甘やかしてくる③
シャワーを浴び部屋に戻ると、霞(かすみ)が俺のベッドに横たわっていた。
着てきた服は洗濯して干してやり、もうとっくに乾いている。
部屋に吊るしてある白のセーラー服がなんとも眩しい。
「帰らないのか」
「……あーあ。もうちょっとで眠りにつけそうだったのに」
気だるそうに霞が瞼をあける。
メイクが落とされ素肌になった彼女は幼げだ。
「いつまでもかくまってやれない」
「どうして」
「ここで暮らしたいってなら俺は出ていく」
「なんでよ!」
布団から飛び起きると大きな目で見つめてくる。
「幻が出ていく必要ないでしょ」
「お前が戻ってきたなら。ここは、お前の部屋だ」
「一緒に使えばいいじゃん」
「できない」
「ねえ、今夜は一緒に寝ようよ」
「俺はオジサンの部屋借りるから。どうするか決めたら言ってくれ」
「待って」