花咲き病の君が笑わない理由。
その感覚に理性を取り戻した俺は、しっかりと君を見つめ続けた。
すると、少しだけ震えた声で君が言う。
「その花が……答え、なんだよ……」
「え……?」
「その赤い菊が、答えなの……」
手元に感じるしっとりとしたその菊の見ると、キラキラと夕日の光を浴びながら輝いていた。
そして、再び君を見れば少しだけーー顔が赤く染まっている。
どうしてなのか分からないけど、そんな君の姿に俺の心臓までも早く脈打つ。
「どういう、こと……」
「…………その花の……」
彼女が言葉を紡ぎ出すと、少しずつ彼女が咲かせる花達が成長して花を咲かせていく。