私と30センチの恋に落ちてください
バレンタイン
チョコを渡す日が、明日と迫っていた15日の金曜日。
明日は友達と、1時にチョコを渡す約束をしている。
そんな友達も、好きな人ができたみたいで妙に気合が入る。
友達は、ハーフで、最近の女子中学生みたいにオシャレをしない。
というか、顔が美人って感じで、化粧をする必要なんてないと、純日本人には感じる。
「明日はどんな感じでいくの?」
友達にそう聞かれて、やっと真剣に考えはじめた。
もし仮に好きな人がいるのだとしたら、ここでオシャレをしても好きになってくれる確率は低いと思う。
チョコを渡すことで、気になるという感情が芽生えても多分、土曜日のたった1日で気持ちは変わらない。
だけど私の気持ち的には、化粧を軽くしていきたい。
「そこまでしないけど、化粧くらいは・・・」
友達が聞いてくれてよかった。
全く考えてなかったから、ちょっと危ないとこだった。
でも、海斗くんの好みって分かんないし、洋服を買う暇もない。
そのままの私を見てもらわないと。
改めて決心をして金曜日の午前の授業を終えた。