私と30センチの恋に落ちてください
その木曜日が、本当のバレンタインだった。


「ねー、誰に渡すん?」


京都から引っ越してきたクラスメイトが話しかけてきた。
ここ1年で、まあまあ仲良くなった子。


「今年は誰も」


嘘。
本当は、木曜日に渡す。




「誰やったっけ?ちょっとまって当てる。聞いたことが・・・あ!」




言っていい?そう私に聞く。
周りには、人があまりいない。


「な・・・やろ?」


まさか覚えているとは思わなかった。


「えー渡せば?」


本当のこと、言おうかな?


「やっぱそう思う?」




この子は、男子を落とすのがうまかった。
言い方が悪いかもしれないけど、とにかくうまかった。



だから、相談しようかなとは思っていた。



ちょっと恋バナをして、私は海斗くんと同じクラスの友達のとこに向かった。

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