祈り
“ガッシャーーーン!!”
飛び散ったアルミの破片。
血まみれになる女子。
上がる叫び声。
私は目撃してしまった。
虐めの行き着く先を。
「自殺……?」
「だ、だよね……?」
その日は茶色く染めた髪を見せようと
綺麗に巻いてお洒落をしていた。
なのに、悪夢は起きてしまった。
自殺じゃない、他殺。
嫌がらせのつもりで上から落としたらしい
汗の臭いを取るスプレー。
衝撃で爆発し、死亡。
学校内では大騒ぎ。
落とした生徒は少年刑務所に行ったらしい。
それでも彼女はこう言った。
「今回の、失敗しちゃったね」
「事故ぐらいで騒ぎすぎなんだよね~」
笑いながら話す彼女に
私は初めて恐怖を感じた。
「次は誰?」
というグループ内の相談。
そして、私は机を叩いた。
「……そういうの、嫌だ」