祈り












“チチチチチチチ……”

ゆっくりと目を開ける。
あのまま寝てしまったみたいだ。

「んぁ……」

大欠伸をすると、私はベッドから降りる。
窓の外にスズメが何羽か止まっていた。
じっとこっちを見てから飛び立つ。
まるで何かを暗示しているように。

いつもより気持ちのいい朝だった。
だから、進みたかった。

こんな日に
後悔していることをやり直す。
それって素晴らしいことだと思うから。

「よしっ」

冬の日曜日。
天気予報では雪が降るといっていた。
水色の傘を持っていった。

彼の住む大きな家に
私は走っていったんだ。











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