あなたに恋のお届けものです
チュートリアル?どういうこと?

先輩が私をもう一度見た。冷ややかな目で。

「どうする?君がどうしたら帰れるか聞きたい?」

答えは決まってる。…yesしかない。

「…はい。教えてください。」
先輩がうなずいた。



「…ここは…ゲームの世界だ。」
え?



ゲームはたった今、チュートリアルを終えたところだった。

「ここは、恋愛ゲーム、学園ラブストーリーの世界。」

あっ、やっぱりゲームの世界だったんだ。

「三人の相手から一人と両思いになったら元の世界に帰れる。それまでは帰れない。しかも…本当に相手を好きにならないといけない。」

私は「学園ラブストーリー」の主人公ってこと?

つまり、プレイヤーとして楽しむのではなく本気で、私が本当に恋をしなければならない。
それって…すごい難しいんじゃ…。

「お前の三人の相手は、松田勝利、永井悠里、そして僕、高浜咲の三人。」
あなたが三人目…。

誰を選ぶかはプレイヤーの自由だ。どうする?私。
誰を選ぶ?
「お前は誰を選ぶ?」
私は…
「私は…。」
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