あなたに恋のお届けものです
俺様キャラって憧れだったけど…でも、本当は俺様ってこんなんだったの?
どうしよう。松田君って、バカだし、俺様すぎだし…。
何であのとき松田君を選んだのよ!私。

その時、私はこの恋が一筋縄ではいかないことを感じていたのかもしれない…。

「おい。藤川。」
「は、はい!」

ぼんやりしてたみたい。
「藤川、まあ、ありがとうな。」

「へっ?何が?」
松田君は空っぽになったカレーセットを指差した。
「奢ってくれて。」

「…あぁ、うん。どういたしまして。」
松田君って俺様だけど、たまに優しいんだな。

すると、松田君は椅子から立ち上がって寮に向かった。
「そろそろ退出時間じゃねえの?」
「あっ、ホントだ。」

「お前、また遅れないようにしろよ。あっ、片付けよろしくな。」
そう言って松田君は立ち去っていった。


…片付けしろよー。私が奢ったんだから。 

もちろんその声は届かなかった。
そして、私の脳内では松田君の「俺が片付けするなんて有り得ない。」という言葉が流れていた。
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