あなたに恋のお届けものです
「うん、むしろチャンスだ。」
そう、無意識に呟いていたらしい。勝利は不思議そうに私を見た。
「何がチャンスなんだよ。」

「い、いやっ、なんでも…。」
「ふぅーん。」

危ない、危ない。出来るだけバレるなと前に高浜先輩に聞いたばかりだ。

「でも、体育祭自体は楽しみかな。借り物競争!」
「どこが楽しいんだよ。」

へ?借り物競争は楽しいよ?

「うちの学校の借り物競争って絶対恋愛系出るのに楽しみなのか?」

「そうだっけ?」


「なあ」

勝利の顔が近づく。
「ちっ近い…」

「お前さ、何かおかしくね?退出時間のときから。知ってるはずのことを知らないしさ。」
どうしよう…。なんて答えたらいい?

「違う!」
考えろ…私。
「だってさ私…」
「そうか。」
ん?何にも言ってないよ、まだ。

「そういえば、お前去年の体育祭は熱で休んでたのか。」

助かったー。私は再び高浜先輩との会話を思い出した。
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