あなたに恋のお届けものです
悠里からの誘いに一喜一憂して、アプローチしようって笑顔で何があっても頑張ろうってやって来た。

けど本当は笑顔で、なんてできないくらい辛かったんだよ。

有紗はそっと心の中で呟く。

「もうわからないよ…、自分の気持ちなんてとっくに麻痺してるよ。」

悠里の声が聞こえた。泣きそうな、苦しそうな大好きな人の声が。

「でも、真由子さんと勝利のために絶対に俺は…俺は有紗さんと両想いにならなきゃいけないんだよ。二人には幸せでいてほしいんだよ。」

「へ…?」

…待ってよ、どういうこと?
真由子と勝利のためって?両想いにならなきゃいけないって?

思わず、有紗は口を覆った。

キュッと心臓が締め付けられた気がした。

ドクドクドクと、音が聞こえる。

「だって、真由子さんと勝利を元の世界に返さなきゃいけないんだから。」





ねえ私って、何にも知らなかったんだね。





「元の…世界?」

それは声にならない声で、

「俺と有紗さんが両想いになれば、俺が元の世界に帰れて、その権利を勝利にあげて二人を返さなきゃ。」

だけども、その声を無視して中の話は進んでていく。

「悠里も…?」

それじゃあ、と有紗は呟く。

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