あなたに恋のお届けものです
***
その頃、

有紗と悠里は無事かな。ってか勝利どこ行ってるのかな、姿が見えないけど。

そんな能天気な平和なことを考えてたおバカさんな私は。

「勝利からメール、って…へ?」

ちょうど、悠里の部屋で何が起こってるのかわかってなくて…メールが来て初めてその事件に気がついた。

「有紗…!」

急いで悠里の部屋に走って走って向かった。
有紗が、全てを知ってしまった。

私と悠里がこの世界の人じゃないこと。勝利と私が元の世界に帰るために有紗と悠里をくっつけようとしたこと。

悪く言えば利用したこと。

「有紗…!!」

だけど、悠里の部屋のドアを開けたとき、有紗の姿はなかった。

「有紗は…?」
「出ていった。」

私の質問に勝利は静かに答えた。

「そんな…。」
こんなことが起こるなんて。

悠里は机に座ってずっと顔を覆っていた。
「俺のせいだ、俺のせいで有紗さんを傷つけた…。どうしようどうしようどうしよう…」

悠里の取り乱しようは今まで見たことがないほどだった。
悠里もパニック状態で、顔は真っ青で。

「悠里…。」

私はゆっくりと悠里に近づく。
「俺は…俺は…。」

「悠里。」
そう呼び掛けると悠里は私のことをやっと向いて、

その瞬間。


ーバシンッ!

「へ…。」

私は悠里の頬をひっぱたいていた。






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