あなたに恋のお届けものです
有紗の想いが報われますように。

悠里の想いが届きますように。


そっと、願った。

*** 

「有紗さんっ、どこ!」

たくさんの校内の場所を、寮内も探しているけれど、見つからない。

有紗さんの部屋も、有紗さんのクラスも、食堂も、どこにもいない。

「どこなんだ…。」

すでに外は暗く、星も出てきている。
悠里は空を仰いでため息をついた。校内にもいない、寮にもいない、そしてグラウンドにも。
「もしかして…」

悠里はよしっ、と呟くと駆けていく。

辺りはもちろん静かで、そこに悠里のザッザッという足音だけが聞こえる。


走って走って走って…、悠里は「そこ」にたどり着くと、回りを見回した。

「有紗さん。」

「っ…!」

「そこ」にいた有紗はビクッと肩を揺らした。

「…ここはね、勝利が真由子に告白して付き合った所なの。」

セレーノ学園と書かれた「校門」の前で有紗は微笑んだ。
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