あなたに恋のお届けものです
「勝利と真由子が付き合ったって聞いたときは素直に嬉しかった。だって親友の恋が報われたんだもん。でもさ」

有紗は、地面に映る自身の影を見つめた。

「まさか、それで真由子がもとの世界に帰るとか、そのせいで勝利と離れるとか思ってもなかった…。突然のことすぎて何が起こっているのかわからないよ。」

そして、有紗は悠里をただまっすぐに見つめた。

「私は、真由子のために好きになるとか、それで好きになってもらったって嬉しくなんてないよ。悠里が、私のことを好きじゃないならそれでいいの。受け止めるよ。」

「有紗さん、俺は」

何かをいいかけた悠里を有紗はさえぎる。

「だからね、もう悠里は私のことなんて気にしなくていいの。別に、もういいの。別にそんなことで私は泣いたりしな…」
「じゃあ、どうしてそんなに泣いてるの?」


悠里の静かな、でもはっきりとした問いに有紗は目を見開いた。

「あ、あれ?おかしいな…別に…」
「私のことなんてって有紗さんは言ったけど。」

悠里は一歩ずつ有紗に近づいていく。


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