一途で甘いキミの溺愛が止まらない。
「えっと…大丈夫…?」
「大丈夫じゃない。
菜穂が可愛すぎてもう限界だ。
このまま階段から落ちた方が楽かもしれない」
どうしてそこまで追い詰められてるのか。
理由ははっきりしないけど、今の蓮くんの言葉は一大事だった。
「だ、ダメ…!
階段から落ちたら怪我しちゃう」
打ち所が悪かったら病院送りだ。
慌てて蓮くんに近づき、服を掴む。
「……菜穂」
「どうしたの?何が蓮くんを追い詰めてるの?」
「……お願いだ、俺の溝を思いっきり殴ってほしい」
「……え?」
溝を、殴って?
溝を殴ってって、言ったよね?
予想外の言葉に、目を見開いて蓮くんを見上げることしかできない。