一途で甘いキミの溺愛が止まらない。




「わからないの?」



そんな私に気が付いたのか、蓮くんに声をかけられた。



「う、うん…ちょっと……」
「どこ?俺が教えてあげる」



そう言って蓮くんが嬉しそうに立ち上がり、また私の隣にやってきた。



「やった、また菜穂の隣に行けた」
「……っ」



蓮くんはストレートなことを言う。



また落ち着いていた鼓動が速くなってしまった。



「……どこ?」
「えっ…と、この問題が…」



「ああ、確かにここは難しいね。
ここまで解けただけでも十分すごいよ」



偉いねと言って、蓮くんは私の頭を撫でた。



偉くはない。
どちらかといえば数学は苦手だしバカなのに。



蓮くんはそんな私を褒めてくれる。



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