一途で甘いキミの溺愛が止まらない。
思わず息を呑む。
「……っ」
少し伸ばせば届く距離で。
それぐらい、蓮くんとの距離は近かった。
蓮くんも、私が振り向くと思っていなかったようで、目を見張り固まっている。
そして少しの沈黙が二人を包んだ。
なんとも言えない微妙な空気。
そらしたくてもそらせない。
そう、まるで金縛りにあったかのように……。
その時、そっと蓮くんの手が私の頬に触れた。
そこでまた、ドキドキし始める。
「……いい?」
何が?だなんて、聞かなくてもわかって。
きっとキスをされる。
それでも断ろうと思えないのはどうしてだろう。
真っ直ぐに私を見つめる蓮くんは真剣な眼差しで、その瞳に捕らえられたかのようで。
また、だ。
あの図書室の時みたいに、今の蓮くんは“男の人”の表情をしていた。