一途で甘いキミの溺愛が止まらない。
「あの、その…やっぱり信じらなくて…ごめんなさい。無理です」
昨日よりも丁寧に断る。
もし本当だとしても一時的なものであれば、きっと上条くんは後悔してしまうに違いない。
だから断ったけど、上条くんの顔は見れなくて俯く。
少しの沈黙が流れ、気まずいなと思っていたら……
「そっか…」
と、上条くんが低く小さな声で吐いた。
思わず顔を上げてみれば、上条くんは眉を下げて笑っていて。
「じゃあ、ごめんね」
謝らなきゃいけないのは私の方なのに、上条くんに謝られる。
そして私は何も言えないまま、上条くんが教室を出るのをただ見つめるだけしかできなかった。
この時の上条くんの謝罪は、突然こんなこと言ってごめんね、という意味が込められているのだと思っていた。
だけど意外と早く、その謝罪の本当の意味を知ることになる。