そんなあなたに惹かれました
第一章
俺の名前は西園寺麗斗(さいおんじれいと)。

自分で言うのもなんだがモテる。

すごくモテる。

生まれてこの方16年、女には困ったことがない。


「ねぇ~れいとぉ~今日の放課後カラオケいかなぁい?」

ほら今日も甘い声ですり寄ってくる女がいる。

「だめぇ!れいとは私と遊ぶの!」

「れいとぉ私でしょ?」

3人の女どもに囲まれて思った。

めんどくせぇぇぇぇぇ!!正直俺別に女好きじゃねーし、遊ぶって言っても3人のうちだれでもいいし・・・。

どうしたもんかと考えていると、女たちの後ろで声がした。

「君たち悪いんだけどさ、ここ廊下で邪魔だからどいてくんない?」

そこには学園一の美少女と呼ばれる女が立っていた。

2年3組の綾瀬茉奈。

くっきりとした二重に高い鼻、ぷっくりとした唇。

手足が長く背も高い。顔も小さければ髪もサラサラ

と、まさに非の打ち所がない女だ。

おまけに陸上部のエースで学校中の人気者だ。

ただ、綾瀬茉奈が笑ったところを誰も見たことがないらしい。

ピクリとも動かない顔。性格はよく知らないが告白してきた男子はこっぴどくふるらしい。

だから学園ではこんな風に呼ばれている。

『氷の女王』


「げっ氷の女王」

俺にべったりだった女たちも嫌そうな顔をしてる。

「はいはい今どきますよーだ」

女たちはしぶしぶといった感じで教室に帰って行った。

「じゃーねー麗斗~またくる~」

「あっずるい!私と遊ぼうねぇ~」

「私とだよー」

二度と来てほしくねぇ。。。

「おい、西園寺、いつも言ってるだろ?廊下でいちゃつくな。邪魔になる」

「いちゃついてねーしぃーってか、俺のせいじゃなくね?」

「どう考えてもお前のせいだろ」

「は?俺が立ってたらあいつらが勝手に話しかけてきただけだし」

「なら通行人の邪魔になるから登下校時以外教室から出てくるな」

「んな理不尽な」

ついでに言い忘れていた。

綾瀬茉奈。俺はこいつが大っ嫌いだ!!!!

俺が全く悪くないことも理不尽に怒ってくるし、笑わな過ぎてまったくかわいくねーし!

陸上部のエースっつったって絶対大したことないっしょ?

嫌いだから年齢的に年上でも絶対先輩とかよばねーっつの!






そう思っていたんだ。あの時までは。。。
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