溺愛彼氏
「毎日が大事な日です」
しばらくスマホの画面とにらめっこをして、フリーズする。頭の中で整理した。
いまからここに、もみじくんが来る。
ハッとしてとりあえず部屋着を脱ぎ捨てて着替える。読み散らかってる本や、雑誌をさっと片付け冷蔵庫の中を見た。
「たまごが、ない……」
マンションの目の前にあるコンビニへと駆け込み、たまごとお茶と美味しそうなコンビニ限定スイーツをゲット。
急いで家に戻り、カルボナーラの準備をした。
お皿に盛ってなんとかもみじくんが来るまでに作り終えた。と、ひと息ついたところで《ピンポーン》と鳴らされたインターフォン。
ドアを開ければ訪問者はカルボナーラを食べたい。と言ったその人。
「お、いい匂いですね」
「ちょうどいま、できたところです」
「さすが、あんず」
彼を招き入れ一緒にカルボナーラを食べる。カルボナーラを口に運びながら満面の笑みの彼を見て、嬉しいと思ってしまう私。
絶対正解させる気のない問題や、突然の訪問にさえ、なんだかんだ許してしまう。相当彼に弱いなと改めて反省。
「あんずの作ったカルボナーラがいちばん好き」
ほらね、またそういうことをいう。
「ありがとう」
「毎日食べたいです」
「……それはちょっと……」
「たしかに、デブりますね」
「ぶよぶよはちょっと…」
「て、言うのは口実で毎日会いたいと思ってます」