溺愛彼氏
「本気で怒るよ」
最近友達が2年付き合った彼氏と別れたらしい。
「なんで別れたの?」
「他に好きな子できたみたいで、私はもう用無しみたいな」
「でも、付き合い出したのって、彼に告白されてだよね?」
「そうだよ。一目惚れだ!とかなんとか言って半ば強引に。はぁー、付き合ってた私の2年を返してほしい」
休日のファミレス。友達の話を聞きながら、私自身も内心どきどきしていた。
あれ、私ともみじくんが付き合い出したのって、始まりはもみじくんからで。と、彼女に起きていることを自分に置き換えてみる。
もみじくんはかっこいいし、頭もいいし、いいとこで仕事してるし、私みたいなとくに取り柄のない奴よりハイスペックな女の子を選びたい放題なわけで。
私もいつか、もみじくんにとって用無しになってしまうのだろうか。
ファミレスでのお茶会を終え、帰りの電車。生まれてしまったモヤモヤというか、もみじくんはそれでいいのだろうか?という疑問を恐る恐る問いかけた。