溺愛彼氏
「そばにいて」
ポカリと薬、ヨーグルトやゼリーを買い込み家に帰ればぐったりとベッドに横たわるもみじくんの姿が。
「もみじくん、大丈夫ですか?」
「おかえりあんず。買い物ありがとうございます」
ちょうどピ、ピ、ピ。と、機械音が鳴り、体温計を見れば38.6度と高熱。
「ヨーグルトとか、ゼリーとか買ってきたので食べれますか?お腹空いてたらお粥作りますよ」
「うん、ありがとう。でもあんまり食べたくない」
苦しそうに「ありがとう」と呟いたもみじくんは汗だくで、そっと額に触れればものすごく熱かった。
「冷蔵庫から熱さまシートと、氷枕作ってくるのでちょっと待っててください」
あまりにも辛そうで、熱さまシートを取りに行こうとすれば熱いもみじくんの手に捕まった右手。
「どうしたのですか?なにか欲しいものありますか?あ、ポカリ飲みます?」
「なんにもいらないよ」
「……」
「ただ、僕のわがままひとつだけ聞いてください」