センセイが好き―恋人は中学教師―
1章

破局



彼氏は、一つ上で

小学校のときから仲良くて、付き合い始めてからも

そりゃもうラブラブで……



――なのに


今あたしの目の前にある光景は…何?




買い物帰りに、バッタリと鉢合わせた、彼氏と

仲の良かった友人……



「ま、待ってくれ紗羽子!!
違うんだ!これは…!!」



必死で弁解しようとする彼氏の手は


しっかりと、あたしの友人の手を握り締めていた。



「…仲良く手なんか繋いじゃって…何が違うのよ?」


彼氏はビクンと体を震わせた。


けれど、庇うように友人を自分の後ろに隠し、言った。



「彼女には俺から言い寄ったんだ!!」



あたしの脳内に

ピーンと張り詰められた、細い糸が浮かんだ。



「ふぅん、いつ?」


「に、二ヵ月前…」


「はい、嘘」


「三ヵ月前です」



糸はだんだんと強く張り詰められていく――。










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