センセイが好き―恋人は中学教師―
頭をぽりぽりと掻きながら、苦笑う高梨を
あたしは疑いの眼差しで見た。
「…嘘っしょ」
「何で?ホントだよ?」
「だってあんた…何か遊び慣れてそう」
あたしの言葉に、高梨は頬を紅潮させた。
それは
品の良い色白の肌のせいか、余計に赤く見えた。
「俺、そんな、慣れてなんか…。
きみは、平気なの?」
「平気だよ。てか、あんた何歳?下の名前は?」
「冬馬…。冬に馬で、トウマ。
歳は、24。きみは?」
やっぱ見た目どうり若いんだ。
てゆーか、結構遊んでそうなんだけどな。
「あたしは、紗羽子。
あんた、かっこいいし。
モテないの?生徒とかに」
「ん……それは…正直迷惑かな」
「迷惑?」
あたしは、優しい口調とは裏腹のきつい言葉に、首を傾げた。
「生徒は、生徒だから…。
そりゃ、好意を持ってくれるのは嬉しいけどさ…俺は、それに答えてやれないから」
冬馬は、悲しそうに目を伏せて、情けなく呟いた。
なぜかその姿が愛しく感じて
冬馬の瞼にキスをしてしまった。
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