センセイが好き―恋人は中学教師―
弟
久しぶりに、あたしの脳内に恋という言葉が浮かんだ。
達巳と別れて以来、恋から遠ざかり、郁人に縋ってたからなぁ…。
暫らくベッドに転がっていると、蒼介が部屋に入ってきた。
「ノックくらいしなよ」
「あー、ワリィ」
蒼介は反省の色が全くない顔で、あたしの隣に座った。
「冬馬センセー、かっこいいっしょ?」
「え?…まぁ」
急に満面の笑みで言った蒼介に、あたしは少し驚きながら返事をした。
「俺ね、初めてセンセーのことスキになれた。
あの人スゲーよ!!」
楽しそうに、友達のことでも話しているような蒼介。
ほんとに、凄い人かもしれない。
蒼介がこんなふうに笑うなんて。
今日は赤飯だな。
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